好きな一曲

主としてザルツブルグ時代に書かれた10数曲におよぶモーツァルトのミサは、必ずしもすべてが日常的に演奏されているわけではないです。
しかしそれらの中で、マンハイム=パリ旅行から帰った彼が、ザルツブルグにおいて1779年3月23日に書き上げたハ長調K317のいわつる『戴冠ミサ』は、もっともよく知られているもののひとつになっています。
この作品は、かつてはザルツブルグ北方の丘の上に建てられたマリア・プライン巡礼教会にある聖母マリアの戴冠像のための恒例行事となっていた、ミサ奉献日に演奏されることを目的として書かれたものです。
しかし1779年の奉献日、つまり6月27日のために作曲したものとしては、あまりに早く閑静されているということや、この教会で演奏するためにしてはオーケストラ編成が大きすぎるということなどから、今日ではこの作品は、4月4日から翌日にかけての復活祭のために作曲され、ザルツブルグ大聖堂で初演されたものと見られています。