大好きな曲 その2
2曲のヴェスペレは、それぞれモーツァルトがザルツブルクの宮廷オルガニストだった2年間(23歳~24歳)の春の復活祭のために書かれました。
ヴェスペレの歌詞は聖書の中の"詩篇"からの5章と、ルカ伝の中の"私の魂は主を崇め"(マグニフィカト)の合計6曲から成っています。
カトリック教徒にとっては、自分たちの知っている詩篇の言葉が音楽になって流れ出してくることに興味があると思われますが、私のような異教徒にとっては音楽的な興味しかありません^^
それに「モーツァルトの音楽には宗教心が不足しており、オペラみたいだ」という、見当違いでいて正しい指摘の示すように、同じ時期に書かれたミサ曲《戴冠式》と同様に、この曲もまた華麗な音楽となっています。
この時代、教会は民衆が美しい宮廷音楽に接し得る唯一の場所でした。
人々はそれを聴きに集まってきたし、燗熟したロココ文化の中の貴族たちも、どうせ聴くなら禁欲的な音楽ではなく、耳と官能を楽しませてくれるものを聴きたかったのです。
そうした要求の上に花を咲かせたのがモーツァルトの教会音楽である以上、まるでオペラのようなメロディで合唱が華麗な歌を聞かせたとしても、本人の信仰心の欠如と責められるには当たらないですよね。
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